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中国人技術者との交流 その2「再見と左様なら」

前回の記事の続きとなりますが、ITC中国法人から開発業務のために来日していた技術者が帰国しました。

ちょっと名残惜しく、「多保重」(お元気で)と見送りましたが、「再見」とは言いませんでした。

漢字を見ると我々日本人にとっては「また会いましょう」のニュアンスが強いけれどもやはり「Sayonara」なのだということ、それから、中国の人は近い関係ではあまりそういう言い方はしないと教わっていたからです。

ですが、一番の理由は日本語の「サヨナラ」にこだわりがあったからでした。

世界的には「神のご加護を」「(次は)神の前で」や、「また会いましょう(「See」や「見」を意訳)」の意味を込めた別れの言葉がほとんどなのだと、あらためて思い出したのですが、日本語の「さようなら」は特に英語を話す人たちにとても好評だそうですね。

Sayonaraという語感がきれいに感じられるというのが第一の理由ですが、さらに日本の伝統や文化に興味を持つ人たちにとっては、「そうならなければならないなら、お別れを言いましょう」というサヨナラは、「別れのつらさを再会の希望へ」でも「会わなくなったあともあなたなら大丈夫だと確信している」でもなく、ただ受け入れ、すべての感情を込めていながらそれ自体は何も語らず、あるのは心を込めて手を握る暖かさだという意味において「美しい」のだそうです。

営業は人と多く接する機会に恵まれる仕事だということを今一度自覚し、一期一会ということを大事にしようと、日本語の「左様なら」で彼を見送りました。