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カリウムイオン電池

2019年に吉野博士らが「リチウムイオン電池」開発の功績により、ノーベル化学賞を受賞しました。
リチウムイオン電気は軽量で寿命が長いうえ、エネルギー密度が高く小型化できるとあり、EV(電気自動車)やスマートフォンなど現代社会になくてはならない存在です。

しかし、リチウムイオン電池にもいくつかデメリットがあります。
そのひとつが資源の問題で、リチウムイオン電池に使われるリチウムはレアメタルであり、南米や中国など限られた地域に存在するため、日本は輸入に頼らざるを得ません。
今のところリチウムの埋蔵量や採掘量は充分ですが、今後の需要や政治的なもので資源・輸入量が不足し、価格が高騰する可能性があります。

こうした問題を回避できるのではと期待を集めているのが、豊富に存在するカリウムを使う次世代型「カリウムイオン電池」です。

カリウムイオン電池研究の第一人者は東京理科大学の駒場教授です。
カリウムに置き換えるメリットのひとつが「リチウムと性質が似ているうえ資源が豊富」です。
カリウムの埋蔵量はレアメタルの約500倍。
資源の豊富さから、安価で電池を作ることができます。
また、急速充電も可能になり、電気自動車で約1時間の充電が必要なものなら、10分ほどに充電時間を短縮できるといいます。

では、デメリットはないのか?
デメリットとしては重たいという事です。
「スマートフォンのバッテリーなど『より軽いこと』が求められる用途には、カリウムイオン電池は向いていません。
しかし大型電力蓄電所など持ち運ぶことがない用途であれば、多少重くても電池としては許容されるので、コストを下げられるカリウムイオン電池を利用するメリットは大いにあると考えています」

では、実用化はいつごろになるか。
これは今後の研究次第になるそうで、10年以上はかかるだろうという事です。

ただ、未来的には絶対に必要になるものだと思います。
現在のリチウムイオン電池は軽さをもとめるスマホ等に使用し、大容量蓄電が必要な場合はカリウムイオン電池とすみ分けもできそうです。

早期実現に向けて期待したいです。